「可愛らしい腹だな。例えばこの臍(ほぞ)辺りとか」
「ウワァアア! 生まれて初めて、他者から腹を見られたことに羞恥を感じたっす! 変に褒めるのもやめて下さいっ! 熟視するのはもっとやめて下さい!」
「どうして? 婚約者の体を熟視することは必要だと思う。熟視することに相手をより知れるからな。なにより君の体は大事な体…、僕はやはり君似の子供が欲しい」
ちょぉおお、腹にキスしやがりましたよこのプリンセス!
まるで俺が身篭るような愛しむ行為はやめて下さいっ、俺は身篭らないっすからね!
どんなにおんにゃの子乙ポジションに立たされようとも、生物学上俺は男。
オ・ト・コなんっすから!
受け男ですけれど夫ってポジションは俺に譲ってくだ…、その前に結婚、いやお付き合いもしていない仲っすよ、俺等!
「鈴理先輩ぃいい!」助けて下さい。このままじゃ食われる。フライト兄弟でもいいから! と、SOS信号を出す俺。
「浮気は駄目だぞ?」仕方の無い子だと頬を崩す御堂先輩、その他のギャラリーは親衛隊に誘導されるまま廊下に撤退させられていた。
これからは夫婦の時間なので、見物ことは不可です。なーんて、柳先輩が仰っている。
誰が夫婦っすか!
完全に御堂先輩の味方につくなん「豊福」吐息と共に甘く名前を囁かれた。
「っ!」耳を銜えられて思わず声が出そうになる。
間一髪のところで歯を食い縛ったから、どうにかなったけど…、あ、あ、アッブネー。
キモイ声を公の場で曝け出すところだった。



