逃げ道と両手が塞がっていた俺は、目前のプリンセスが力強くその手を引いてきたせいで体のバランスを崩す。
そのまま床に押し倒されるかと思いきや、彼女はご丁寧にも側にあった机の上に俺を押し倒してくれた。
ガタガタと揺れる机は危うく倒れてしまいそうだったけど、どうにか脚を踏ん張ってくれる。
面積の狭い机上に背中を預ける俺は状況を把握する間もなく、覆い被さってくるプリンセスさま。
「僕は紳士らしくいきたいからな」
どっかの誰かさんのように、埃まみれた床に押し倒すなんて野蛮な行為はしないのだとニッコリニコニコ顔を作って見下ろしてくる。
では机上に押し倒すこの行為は野蛮でないと?
寧ろ俺には押し倒すという行為そのものが野蛮だと思うというかなんというかっ、冗談っすよね?!
この状況は冗談だと言って下さいっ、てか誰か助けて下さいぃいい!
「うひゃっつ! な、何してるんっすか!」
俺は素っ頓狂な声を上げた。
何故かって御堂先輩がお触りお触り、とセクハラをしてきたからだ。
悲しきかな、逆セクハラにも慣れつつある今日この頃だけど、今、現在進行形で触ってくる場所は初めてセクハラされる場所だった。
ちなみにセクハラされたことある場所は胸部、背中、腰、太腿の四箇所である。まる。
では今回は何処か、ヒント、背中とは反対側にある場所。ほぼ答えになっちゃってるよな!
ゲッ、手がシャツに潜り込んでっ…、御堂先輩のエッチィイ!
「腹を触らないで下さいっす!」
大して腹筋が割れているわけでもないっすよ!
しかも直で触れてくるとか、どこぞの攻め女っすか!
俺、鈴理先輩以外の女性に攻めれるわけにはいかないんっすよ!
何が怖いかって彼女の仕置きが怖ぃいいい!
必死こいて手を止めようとするんだけど、御堂先輩は楽しそうにお触りお触り。プリンセスが変態親父へと変貌しちまったよ。レベルは鈴理先輩と同等っす!
挙句、彼女はシャツをたくし上げてきた。



