「愛が重い…、俺にはお二方の愛が超絶に重いっす。
もう俺、下手な行動できな…っ。愛は地球を救うって何処かのテレビ局は言っていたけれど、このままじゃ俺、愛に押し倒されそう」
「あぁあ…っ、まあ同情はするよ。空くん」
「ははっ、好かれるってのも大変だなぁ。まあ、それだけ空がイイ男だって証拠だな」
「ううっ…、そう言ってくれるアジくんはいつでも男前。俺の憧れだ」
「照れるじゃんかよっ、おぉお?!」
アジくんが素っ頓狂な声を上げた。
何故か、それは御堂先輩がベルト鞭をアジくんに向かって振舞ったからだ。
ドッと冷汗を流すアジくんは紙一重にそれを避け、ぎこちなく御堂先輩を流し目。
鼻を鳴らす御堂先輩は男前度(女前度?)では負けないという素振りでズカズカと此方に歩み寄り、フンッと鼻を鳴らした。
「君とは好敵手になりそうだな」
男の中でも要注意人物だと吐き捨て、いつか勝負を申し込むとそっぽ向く。
「嘘だろ」
なんで俺が敵視されなきゃいけないんだっ、アジくんがゲンナリと肩を落とした。
ごめん、アジくん。今のは俺が悪いよな、マジでごめん。
でもって御堂先輩、闘志を燃やしているどさくさにまぎれて、まぎれて、何してるんっすか。
俺は男っすよ、貴方様の大嫌いな男! 可憐なガールじゃないっす、普通ボーイっす!
腰に手を回して体を引き寄せようとする御堂先輩に、そう抗議を述べた。
彼女の仕置きが怖いから、離れようともするんだけど、「豊福は分かっていないな」顔を覗き込んで微笑を零した。
ギョッと驚いて、大きく一歩後退する。
二、三歩、後退して逃げる俺に迫る彼女はあっという間に俺を廊下の窓際に追い込んで、彼女は顔真横に手を付いてきた。
「嫌いな奴を」
守りたいと思う馬鹿がいるか、全力疾走なんてするか、目と鼻の先で言葉を紡ぐ。
「僕は正門で君を待っていた。ずっと待っていたんだ。
けれど君は来ない。いつまでも来ない。もしやと思って、君を探していたら…、豊福は暴行されていた。どれだけ僕が心配したと思っている? それでも豊福は僕が君を嫌いと言えるか?」



