……、この腐ったお嬢様と愉快犯、どうしてくれようか。
ヤーん妄想されて肌が粟立つ俺と大雅先輩、んでもって「豊福っ」怒りを増大させる某俺様は、お前のせいでいたらん妄想をされちまったじゃねえかとガンを飛ばしてくる。
ご、ごめんなさいっすっ、大雅先輩が好きなのは宇津木先輩っすよねっ…、わ…分かってるっすっ。
いやでも妄想されちまったのは俺の責っすかね!
向こうの趣向に問題があるんじゃっ!
わなわなと青筋を立てる大雅先輩はぐわんぐわん胸倉を握り締めて、体を揺すってくる。
「テメェっ、マジっ…百合子にっ…、百合子にっ…、大体なんだこの格好! 鈴理にヤられかけてたのか?! だったらいっそヤられちまえ!」
「そんな殺生なっ! 命辛々逃げてきたんっすよ俺!」
「で、この俺様にぶつかってっ…このザマっ。テメェ、マジ百合子の妄想どおりにしちまうぞ!
あああぁあもういい!
俺は…、俺はどっちも経験してやる!
どぉおおせ俺は百合子の妄想の中じゃ、男女ぺろっとイケるんだぜ美形俺様くんだぁああ! 兄貴でも平凡でも野郎でもどんと来やがれぇえ!」
「ぎゃぁああああ! 藪から棒にっ、どうしたんっすか?! ヤケクソはノーっすよ! 乱心しちゃダメっすよ! 幾ら宇津木先輩のためだからって、そりゃあお門違いってもんっすよ!
それに俺、ヤ、ヤられるなら鈴理先輩がい「では空、一緒に体育館倉庫にでも行こうな」
この忙しい時にっ…、その声は。
泣きたい気持ちを抑えつつ、視線を流せば追いついた肉食獣(♀)のお姿。
俺のブレザーを片手にニッコリ微笑んでくるけど、ちっとも微笑みになっていない。



