「変態集団かと思っていたが、ドドド変態集団だったのかっ!
な、なのに僕を心配させまいと笑おうとするなんてっ…、どうして君はそう人に頼ることをしない! 怖い思いをしたのに、どうして笑っていられるんだ!」

「……、なんか誤解を与えたみたいっすけど、SMってそういう意味じゃないっすよ。向こうは俺をMにしようとしただけで」

「え、えむ」

「それでベルト鞭でちょっと叩こうとして」


「ッ~~~、よくもっ、僕の婚約者を傷物にしようとっ。しようとっ。豊福、安心しろ。僕は何があっても君を手放さないっ!」
 
  
ぎゅうっと抱き締めてくれる御堂先輩は大変な誤解をしてしまったようです。

元凶は俺の説明ですよね!
すんませんっ、今すぐ誤解を解くんで、俺を解放して下さい!
 


「あ―――ッ! 隊長っ、やっぱり豊福空は尻軽男ですよ! あ、アイドルがいながらっ、他の女…ん? 男? と、イチャコラしてるなんて!」


「許すまじっ、豊福空。やはり君はMにして道徳指導をしないといけないようだな!」



親衛隊が火に油を注ぐようなことを発言をしてくれるものだから事態は悪化。
 
わなわなと震えて、「よくもっ」御堂先輩が奥歯をギリリッと噛み締めた。


「これだから男という生き物は嫌いなんだ。ああ大嫌いだ。滅べばいいんだ」


ゆっくりと俺を解放した御堂先輩は自分の着ていた学ランを俺の肩に掛けると、指の関節を鳴らして、すくりと立ち上がる。


あわわっ、や、やばいっ。御堂先輩っ、体術系の習い事を習っているから、このままいけばっ。