前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



………、大人しくしていられたのは三秒でした。


やっぱり暴れるっす! 俺は痛いのも高い所も嫌っす! 痛いの怖いっすよぉお!


バチンッ、ベルトが肌を叩いた。

でも俺には痛みがこない。
何故なら俺の肌が叩かれたわけじゃないから。

どうやら俺を押さえ込んでいる親衛隊の誰かに当たったらしい。

「隊長。今のはないですって」非難の声を上げている。

「ごめんごめん」微苦笑を零している柳先輩は、今度こそ当てるからと俺を見据えた。



「おっとブレザーは脱いでもらおうか。痛み…、じゃない、快感が半減するから」


ちょぉおお、どっちがワルっすか!
あんた等の方が数百倍ワルっす!


この悪党っ、悪党ー!


抵抗するものの、何本もの手は俺を押さえ込んだままブレザーを脱がした。

カッターシャツ姿になった俺は、「陰湿な嫌がらせっす!」もはや半狂乱。痛いの嫌だ、死にたくない、Mは無理と叫びまくった。
 

あんまりにもギャンギャン叫ぶもんだから、「これでは苛めているようではないか」どうどうと柳先輩が落ち着くよう促してくる。
 

これをイジメと名目せずに、なんと称すっすか!

落ち着けるわけないじゃないっすか!
 

「よーく考えてみてくれ。君は『M』の素晴らしさを知り、僕等はストレスが発散ができる。更に道徳指導もできる。一石三鳥だと思うんだが。君、もうMになりかけているし」

「そっちに得はあるかもしれないっすけど、ゼンッゼン俺には得がないっすよぉおお! しかも俺、Mじゃないっす! そりゃあ女の子にヤられてますけどっ、でもNと言い切ります!」


「大丈夫だ。加減はしないから!」


「尚更暴れま「バチンッ!」アイッデェエエ! やりやがりましたね! 感想を述べますけど、嬉々も快感も畜生もないっすぅう!」

 
あ゛ーもぉお怒ったっす! 俺、今日は無理でも後日、絶対に仕返ししますからね! 先輩も後輩も関係ないっすからね!