前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―


 
呼び出した理由はそこにあるんだよ、そこに。


ニッコリと柳先輩が握り拳を作る。

薄っすらと浮き出ている血管が怒りの度合いを示していた。

「遠慮するっす」

やんわりお気持ちをお返しするんだけど、出入り口は塞がれているから逃げられない。
 

さあ、どうする俺。
人数的にも向こうの方が多い。


見積もって10人くらい。

対して俺は1人か。


ちっくしょう、相変わらず卑怯な親衛隊!
道徳指導と言いつつ、結局リンチまがいなことするんじゃないかよ!


袋叩きなんて絶対にごめっ、うわっち!
 

指を鳴らした柳先輩の合図で、背後にいた親衛隊のひとりが俺を羽交い絞めにしてきた。

柳先輩に気を取られていた俺はあっという間に捕まってしまう。


「ぼ、暴力は駄目っすよ!」


暴力は何も生まない、ここは平和を尊重してお話し合いで解決しましょう!

あたふた向こうに訴えてみるけど、指導するだけだぞっと微笑まれるだけ。


うわぁああ、なに、その鬼畜じみた微笑! あんた等M族でしょーよ!

もしかして男にSっすか?! それもタチが悪いっすよ!
 


力で地面に捻じ伏せられる。

  

「アイデッ!」呻くうつ伏せ状態の俺に、コノヤロウ、羨ましいことされてるんじゃないぞと数人からバシバシと叩かれた。足蹴りも少々。


アイテッ、アイテッ! 痛いっすからっ…、そんな卑怯な手で暴力行為とか最低っすよ! 陰湿陰険暴力禁止っ、無防備な相手にそんなことしてもいいと思ってるんっすか!

タンマを掛ける俺に、「これも君のためだと」柳先輩。


自分のベルトをズボンから引き抜くと、まるで鞭のように振舞って地面にそれを叩きつける。


ゾッとした。


ま、まさかそれで俺を引っ叩くなんて非道なこと、しませんよね?

鞭で叩く、確かにそれは典型的なSMプレイではありますけど、いやでも、俺は男にされようが女にされようが彼女にされようが、鞭はごめんっすよ。

鈴理先輩が仮にしたいって言っても、受け入れられない自信があります!