前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



「よ、よくもイタイケな副隊長をっ…、君は悪の中の悪だな!」


そうだそうだ、お前はワルだ!

他の親衛隊さん方が声を揃えた。

……今のやり取りのどっこに非があるんっすか。
30文字以内で説明して欲しいっす。


とにかく、用がないなら俺、帰るっすよ。
 

相手に物を申せば、柳先輩は我慢の限界だと言っただろう? と、俺に向かって鼻を鳴らした。


そう言われても、鈴理先輩と俺の仲には口は出せない筈なんっすけど。


「水面下で二人の仲を裂こうとしていたのはさておいて」


……、なんか目論んでたんっすか。知らぬが仏ってまさしくそのとおりっすね。


「豊福空、我々は見守り隊として二人の仲を微笑ましく見守っていた。
ああ、歯痒い気持ちを噛み締めながら見守っていたとも。
毎度キスシーンを目の当たりにする度に涙を流し、押し倒される場面を視界に入れる度に畜生と壁を叩き、恋人らしいムードを肌で感じる度に呪いというもので世の中を動かせないかと考えたが、見守ってやっていた!」


限りない上から目線っすね。感謝すべきところなんっすか? そこ。

てか、見てくれていたんっすね…、俺等の日常のやり取り。


引き攣り笑いを浮かべている俺の一方で、柳先輩は苦情を吐き捨てる。



「学校は公共の場だというのに、白昼堂々イチャイチャラブラブ。毎日のように攻められ、キスされ、痕をつけられ、なんて羨ましいことをされ…、ゴッホン。

それに君は彼女という女神がいながら、他の女と噂になった。
とんでもない不謹慎行為! なんてことをしているんだ君は?!此方はまったくもってけしからん奴だと思うね」


「あー…、否定できない箇所もあるんで、強くは反論できないっすけど。でも、俺、どちらかというと襲われてる側なんっすけど。噂も不本意っす」


「やっかましい! 今日の昼休みなど、自分からキスをしたではないか! 身の程を知れっ!
……、ということで、見守り隊はそんな不謹慎な君を正そうと思う。我がアイドルのためにね。そう、これは君達の仲への口出しではない。道徳指導だ」