「1年C組豊福空っ! もはや我慢の限界だっ、お前って男は生かしちゃおけないっ。この男の敵―――! 」
「えぇええっ、ちょ、ノッケからその台詞きちゃいますか! 俺はまだまだ長く生きるっすよ!」
うるさいうるさうるさーい!
地団太を踏む高間先輩はバスケットボールを引っ掴むと俺に投げ付けてきた。
勢いのあるバスケットボールを避けて(背後に立つ親衛隊に当たったらしい。軽く声が聞こえてきた)、ちょっと落ち着いて下さいよっと声掛け。
気が治まらないのか、高間先輩が次々にバスケットボールを投げ付けてくる。
アブナ、ちょ、キャッチはできるけど、バスケットボールは大きいから二個が限界っ、アブナ!
飛んでくるバスケットボールを避けていると、柳先輩が大荒れの高間先輩をどうどうと宥め始める。
よって攻撃の手は止んだけど(なんで最初から宥めてくれなかったんだよ)、高間先輩は「たいちょぉおおお!」僕はもう駄目だと嘆いて、隊長の胸へ。
「強くなれ!」かたく副隊長と抱擁する柳先輩は男泣きをしてオイオイオイオイグスン。
……どうでもいいけど、むさ苦しい光景だな。
宇津木先輩はああいうのにキュンなんだろうか?
いやでも彼女は親衛隊の事は口走っていない。
ということは、彼女もむさ苦しいとドン引いてるのかもな。
今度、好みでも聞いてみようかな。
グズグズグスンと涙ぐんでいる高間先輩は、「あいつなんて」塵になればいんですと指差してくる。
「そうだなそうだな」塵になればいいな、相槌を打つ柳先輩。
同調してもらってちょっと気が楽になったのか、「お前なんて!」と高間先輩がまたもや俺にバスケットボールを投げ付けてくる。
しかも渾身の力を込めて。
受けたら絶対に痛いって分かってるから、俺は紙一重に避けた。
親衛隊の皆さんも避けないと怪我するって思ったらしく、ボールから逃げる。
受け手がいなくなったボールは壁にバウンドして、そのまま投げた主へ。
「た、高間ぁああ!」
柳先輩が焦る中、物の見事に顔面で受け止めた高間先輩はぐらっとその場に転倒。軽く目を回していた。今のは自業自得だろ。



