「僕は鈴理のいう“攻め女”に当て嵌まる点もあるからな。もしや、不覚にも君に対して恋愛感情とやらが目覚めてしまったのではないだろうか」
「(それだけはやめて欲しいっす。切に)本当にそうなら、それを本人に暴露しないっすよ。普通恥ずかしくて言えないもんっす」
「なるほど」確かにそれもそうだ、僕は断然女の子が好きだし。
誤解を招きそうな発言をして、御堂先輩は一気にイチゴ大福を口腔に押し込んでしまう。湯気立っている紅茶で喉を潤す御堂先輩は、チラッと俺を一瞥。
ソーサーにカップを戻すと、女に比べたら可愛げもなにもないしなぁっと毒を吐いてきた。
ホッと俺は胸を撫で下ろす。
いつもの御堂先輩に戻ってくれたようだ。
変にセクハラされるより、毒づかれた方が断然マシだ。
よし、さっきの言動は一斉消去しよう。
俺は何も覚えていない。覚えちゃないんだぞ。
ふーっと息をつき、俺はもう一つ、助言を重ねた。
きっと御堂先輩は男友達を作りたいのだと。
異性としてではなく、気兼ねない男友達を作ろうと行動を繰り返してちょっと暴走しているだけ。
初めてそんな気持ちを抱いたから戸惑っているんだと頬を崩す。
女性にする行為を男性にするのは、いつも女性にしている行為を男性にもしてスキンシップを図ろうとしているんじゃないだろうか。
「だが僕は」幼馴染みの大雅に君と同じ行為をしたいとは思わないぞ、御堂先輩の素朴な質問が飛んでくる。
「うーん」首を捻る俺は、自分がおとなしめの男子だからし易かったんじゃないかと指摘。
そういうものだろうか、納得しない顔で腕を組む御堂先輩はやっぱりお前、女じゃないのかと俺を指差してくる。
しつこいにもほどあるっすよ。
俺は男ですって。
あんなに人の胸部を触っておいて…、なんなら脱ぎましょうか? 此処、俺の家なんで上半裸になるくらいなら可能っすよ。
全裸は室内であろうと露出魔になりかねないので却下っすけど。
不機嫌に訴えれば、「よし脱げ」間髪容れず、御堂先輩は俺の案を受け入れた。まったくめんどくさい人っすね。
これを機に女って言うのはやめて下さいよ。



