前略、肉食お嬢様②―カノジョな俺は婿養子―



「住む世界が違えば、一緒にいられないのか?」 

 
問い掛けに俺は、「さあ」曖昧に返答。

一緒にいられるかもしれない、でも一緒にいられないかもしれない、微妙なところだと答えた。

どちらにせよ、庶民の俺には眩し過ぎる。先輩のいる財閥の世界は。

俺の心情に「関係ないんだ」住む世界なんて関係ない、先輩はゆるやかな手つきで右頬を撫でてくる。

彼女の姿は見えないけど、きっと今、真っ直ぐと俺を見つめているに違いない。

あたし様らしく、世界なんて関係ないとのたまっている。そうに違いない。
 

「あたしはな空、あんたがいれば何処の世界にいようと関係ない。そう、思っている」


敢えて口には出さないけど、俺は関係あると思っている。

何故か、先輩と俺の住む環境、世界、背負うものが違うから。

きっとそれは先輩と俺の価値観の違いだと思う。

俺がこんなにも関係あると思っちまうのは、先輩の財閥の将来を垣間見たせいだろう。


俺と先輩の住む世界は違う、そしてそれは隔たりのある世界。
  

「あたしにとって大切な世界は、空があたしの所有物であり続けるという世界。
だから許さないさ、玲と噂になることだって絶対に。本当は公の場で堂々と宣言したかったくらいだ。あんたはあたしの彼氏だって」


細い指先が触れるか触れないかのタッチで、そっと唇をなぞってくる。


「あんたが思っている以上に」指が頬を滑って、

「あたしは」首筋に、

「独占欲が強いぞ」そしてシャツにまで伝い落ちる。


上から三つまでボタンが外された。
止めたかったけど、極力抵抗はしないと言ったのは俺だから好きにさせることにした。

鎖骨に指を這わせて、「まだ痕が残ってるな」先輩は笑声を漏らす。

「おかげで消えないっすよ」

消えそうになったら、また痕を付けるんだ。消えるわけがない。

 
「御堂先輩にこれ、見られちまったんっすけど。凄い独占欲の表れだなって言ってましたよ」

「玲がこれを…、あいつ、良し悪し関係なく空に興味を持ち始めたな。まったく、あいつとあたしの好みは似てるから…、それなりの覚悟は必要だろうな。ということで空、あんたも覚悟しろよ」