毒舌メイド 【完】





私はキッパリと言ってみせる。


キッパリしすぎていたからか、成本君は何も言えなくなったみたい。


「このあと7時から食事の時間ですが、この部屋で食べますか?」


「あ? ……いや、いい。向こうで食べる」


成本君は偉そうに(私がそう見えただけかもしれないけど)椅子に座りながら答えた。


人が話してるのに勝手に座るなんて……お前は、王様か。


彼に向ける瞳が、少し冷たくなる。


でも、こっちはメイドであっちは主人。何も言い返せないのがムカツク。


「……かしこまりました」


私は頭を深く下げて部屋を出ようとする。