毒舌メイド 【完】





「学校の〝毒舌クイーン〟が、俺のメイドって言いふらそうかな?」


…………コイツ…。


私は、眉間にしわが寄りそうになるのを堪えて、爽やかな笑顔を浮かべて見せる。


「どうぞ、ご勝手に。バカの言う事なんて、誰も信じませんから」


私の言葉に、成本君は眉を寄せた。


多分、「噂以上の毒舌だ」とか思ってるんだろう。


「俺、お前のご主人様だぜ?」


成本君がそう言うけど、私はハッキリと言い放つ。


「ご心配には及びません。ちゃんと敬語ですから、大丈夫です」


「……いや、そういう問題じゃなくね?」


「いえ、そういう問題です」