毒舌メイド 【完】





驚く私の前で、成本君は誤魔化すように伸びをした。


ここまでなら普通に良い人なんだろうけど……


「あ、水城。このコップ持って行ってくれ」


自分でやってよ。


……そんなに人を従わせたいか、この悪魔。


私は無言で成本君を見つめて(正確には、睨んで)部屋を出る。


はぁ……。


やっぱり、この人嫌い。


「ほら、行くぞ」


成本君はズンズンと先を歩いてしまう。


私はコップを持って、そのあとを大人しく歩く。