はい……?

「デート……?」

って、私は思わず聞き返す。

だって、それは嬉しいけど……

私たちは一週間前にケンカして、

その仲直りがまだできていなくて、

私は「ゴメンなさい」も言えてないし、

その先の、大事な気持ちも伝えたいのに伝えられていなくて……。


いきなりそういうのをすっ飛ばして、『デート』!?


「話したいことがあるんなら明日聞くから。……イヤなの?」

「イヤじゃないよ!」

「よし、だったら決まりなー。待ち合わせ場所は勝手に決めていい?」

決めていい?って、今更。

さんざん勝手に決めてるくせに。

「いいけど……どこ?」

「それじゃあ……」

ヤマタロはそう言って、ある場所を指定した。

「え!? ……いや、そこはちょっと……」

「そこじゃないと、オレ、行かないから」

「ええっ!」

「じゃ、そう言うことで。話の続きはまた明日な」

そう言ってヤマタロは、電話を切った。


……。

電話をかけたのは私。

話したいことがあったのは私なのに。

「なんなのよ、もうっ! 自分勝手なんだから!」

だけど、そう言う私の顔は、きっとものすごくにやけているんだろう。


嬉しくて、誰かに話さずにはいられなくて。
私は部屋を飛び出した。

行き先は、
リビングで寝ている、私の大事な、大事な、幼なじみのもと……