昶は地面に手をついて深呼吸をしようとするが、上手く呼吸ができない。




出血が多いらしく、寒気がする。

顔も青白くなっていて、
もう立てなかった。




地面に這いつくばっていると、
何者かが降り立ったように感じた




けれど、目を開ける力が残っていない昶はそれが誰なのかわからなかった。




不意に、名前を呼ばれた気がした

晴輝ではない。




すると、さっきの声より大きな声が頭上からした。


そして、何故か痛みが引いていった。




「お前は妖怪だ。
それも、魔狐のな」




その言葉を呟いたそれは、
すぐに気配が消えていった。




昶は頭の中で渦巻く、
思考をまとめたかったが
出血が酷く、気を失った。