放課後タカヒロが迎えに来るより先に一人の女の子が私の所へ来た。

『ちょっと話があるから一緒にきて』

その子はそう言うと私を引っ張って音楽室に連れてきた。

どこかで見たことある顔だけど…誰だか思い出せなかった。
思い出そうとしている私に、その子は、
『私、タカヒロの元カノの梓。知ってるよね!』

あ、あぁぁ…タカヒロの元カノだ。
言われるまで気がつかなかった。

そんなこと言える筈もなく私は呼び出し理由を尋ねた。

そうすると元カノは、かなりイライラしながら話始めた。

『単刀直入に言うけど、あんた、まだ元カレの事好きなんでしょ?!だったら、タカヒロ返してよ!タカヒロのこと好きでもないのに付き合って、タカヒロ傷つけないでよ』

返すって…タカヒロ物じゃないし。
私が話そうとする間もなく元カノは続けていた。