老犬チロと私たちの絆

それから、どこかの会社が社宅代わりに家族を住まわせたが、会社が倒産して、使われなくなってそれっきり。


いつしか、隣の家は『曰く付きの家』と呼ばれるようになった。


住んだ人が不幸になる、家族を離散させる家。


そう呼ぶ者もいる。


私は、大きなあくびをしながらドア越しに見つめた。


そのとき、ちょうど部屋の向かいのドアのカーテンがサッと開き、パジャマ姿で大口を開けた私は思わず固まった。


忘れていたのだけれど、私の部屋の窓と隣の家の窓の高さは同じで一メートルと離れていないのだ。


硬直した私の目の前に、恐ろしくきれいな男の子が現れて、私を一別すると、ちょっとだけ眉をひそめてカーテンとドアを閉めた。