老犬チロと私たちの絆

「気分わりぃ。せっかく時間作って会いにきてやったのに」


千尋は、どんどん不機嫌になっていく。


「来てやった?何その言い方。むかつくんだけど?」


私だって、黙ってはいない。だって、見過ごすことなんかできない証拠が目の前にあるのだから。

「ムカつくって、何や?」

「だいたいにして、友達の彼女、何で乗せてんのさ?意味わかんねーし!」


「別に女だけ乗せたわけじゃねぇよ。友達が彼女と飲んでて、迎えに来てって言うから…」


「いつの話?聞いてないし!」


突っ込まれて、千尋はどんどん口ごもる。


やっぱり怪しい。