老犬チロと私たちの絆

ほどなくして、千尋の車が到着した。


車高の低い、元は高級車。両親は、千尋のそうゆうところが嫌だと言う。

身分不相応な(或いは、年齢にそぐわない)車を所持し、悪趣味な装飾まで施すところ。


千尋は持参したタオルでマロンの足をふくように命じ、私はそれに従う。

冷房の効きすぎた車内でマロンは固まり、私の膝の上でじっとする。


千尋は、別のコンビニで買っておいたジュースを私に渡す。


「キャラメルマキアート。夏花好きだべ?」


「好き」


「新商品」


千尋がニッカリと笑う。

千尋は、新しい物が好きだ。