老犬チロと私たちの絆

「大志、マロンが食べてるよ。それに夕飯前にお菓子食べない。また太る…」


言いかけた私の尻を、母がピシャリと叩いた。


「いてぇな!」


「昼間起きて、それからずっと寝てた奴が偉そうに説教すんじゃね。お前と違って、大志は畑の草刈り手伝ったんだぞ?だいたいあんたはね、夏花、女の子だべ…」


はいはいはいと、私は母の会話を中断させた。これから始まるお説教が長くなるのは目に見えていたからだ。


「マロンの散歩行ってくる」


「夏花!」


「さらばー」


クッキーを名残惜しそうに見つめるマロンを無理やり抱いて、私は非難した。