老犬チロと私たちの絆

家に帰り、チロに水を与え、ついでに自分の分の麦茶をグラスに注いで、クーラーをつけてからソファーに座る。


昼寝をたっぷりして充電完了のマロンが、ヘッヘと口をあけて足元に絡みついてくる。


「お前は元気よのう」


艶々としたマロンの毛並みを撫でながら、もう片方の手で携帯を開くと、メールが二件受信されていた。


一つは弘恵で、明日遊ぼうというお誘いメール。

もう一つは、千尋からだった。


千尋は、昼休みに必ずメールをくれる。


ウキウキしながら開封して、そして、落胆した。

ごめん!
今夜、仕事の飲み会が入った


メールにはそう書かれていた。


「またかよ…」


私は、携帯をクッションに放り投げ、まとわりつくマロンを胸に乗せソファーに寝転ぶ。


最近、千尋はやたら飲み会に参加している。


社会人だから、付き合いもあって、だから、仕方ないけど…なんだか不安になる。


そんなことを考えながら、私は眠りに落ちた。