老犬チロと私たちの絆

外は、信じられないくらい暑かった。


チリチリと肌を焦がす、力強い太陽の光と、澄んだ青空。


これが、北国の夏だなんて。


私は、地球温暖化が確実に進んでいることを肌で実感しながら、玄関すぐそばの小さな犬小屋を覗き込んだ。


「チロ?」


チロは、唯一の日陰部分となる薄暗い小屋の中でうずくまり、桃色の舌をだらりと出していた。


見ると、水の入っているはずのお皿がひっくり返り、アスファルトが濡れている。


「大変!」


私は、急いで水を入れると、チロの前に置いた。

チロは、フラフラと小屋から出ると、ピチャピチャと音を立てて水を飲む。


艶を失った毛並みと、弱々しい吐息。


私の胸は罪悪感でキリキリ痛んだ。