鬼に愛された女



低い、ドスの利いた声が聞こえた


「これは白雲様」


月子を囲むように立っていた女人たちが脇によけ、一斉に頭を下げた


声の主を見ると、白銀髮の長身の男がいた


女人達は今までの雰囲気が、がらりと変わって態度が一変する


「何をしていたと聞いている」


「いえ、なんでもありません。なれぬ環境のため、話し相手になってほしいと頼まれたのです」


表情一つ変えず、達者な口で簡単に嘘をついた


なっ!どうしてそんなことが言えるのですか!


月子は納得がいかないと思っていると、白銀髮の男が月子に近寄ってきた