夏の日の終わりに

「正直、ここまで骨がバラバラになったものが元に戻ることはありません。膝が特にひどいでしょう? ほら」

 そう言ってレントゲン写真を取り出して指差した。

(だから素人には分からないんだって)

「こんなに酷いのは私も経験がありません。普通なら死んでますからね」

 いつの間にか母親がまた涙を浮かべていた。

(泣くんじゃねえよ!)


 たぶん僕は憐れまれることが我慢ならないのだと思う。そんな母親に苛立ちを覚えるのだ。

 絶対治る。その自信はまだ揺るがない。

「絶対治りますから」

 僕は林医師から目を逸らさず、そう言った。