──サヨナラ。 そして、ありがとう。 あなたと楓のおかげで あたしは少し強くなれた気がするんだ。 ──大丈夫。 神様はあたしに意地悪ばかりしたけれど この子だけじゃなく、楓まであたしから奪うなんてことはしないって信じてる。 「一人で天国になんて逝かせないんだから」 莉子は涙を拭って、精一杯の笑顔を見せてそう言った。 その時。 ピクッ──… 莉子のお腹に触れる 楓の指が微かに動いた──。