あの子はあの男が好きなんだ。



ホッ



何で!?
何でほっとしてんの!?



飲み過ぎたかな…



「春輝、このお酒、強い?」

「いや、あんまり強くねぇよ?酔った?」

「ううん。大丈夫。」



アタシ、おかしい。



「春輝、俺ら帰るな♪」



大和と呼ばれる男はさっきの女の子と帰って行った。



「サキ、仕事何してんの?」

「受付。」

「っぽいな!!キレイだしな♪」



キレイ…



聞き飽きた台詞なのにすごく新鮮に感じる。



「春輝は、彼女とか、好きな人いるの?」



今喋ったのはアタシ!?



何聞いてんの!?



「いないね。ちなみに独身。サキは?」

「アタシもいないよ。」



好きな人いないんだ…



アタシ、やっぱり変だ。



それからしばらくたってお店を後にした。