もう一度
部屋に入った

さっきよりも赤くなった大人達

うるさいなー


「音和ちゃん!
こっちおいで!」


愛里さんの席の周りには
あんまり人が居なかったから
私はそっちに移動した


「もう中学生なんだねー楽しみ?」

「まあ、部活とかあるみたいだから
楽しみです」

「そうだよねーアタシもそうだった
受験なんて考えたくないしねフフ」

「まだ、受験ってよく分からないんです
家族の中でも私一人
話についていけなくて…
だから今日もつまらないんです……」


……ハッ、


余計な事まで…!!


「あの…今のは忘れて…」


「分かるよ。」


「えっ…愛里さんも?」


「アタシは末っ子だったから
置いてきぼりになったし
こうやって親戚同士で集まると
上の兄弟のことばっか、
アタシ一人は子供扱い」


…いっしょだ…


「……愛里さんは
辛くなかったですか…?」


「…辛かったけど
自分にも少し落ち度があったんだ」


「落ち度……」


「アタシってこう見えても
子供の頃は静かな子だったの
だから話しもヘタクソ
自分からは何も話さないし
挨拶もてきとーにしてた

でも気づいたんだ…

こんな態度じゃダメだって。
適当にした分
自分が寂しい思いするだけって
気がついたんだあー…」




「………………」



なにも言えなかった。




図星だから…。