「ただいま」


やけに重たく感じるリビングの扉


「おかえりーすぐご飯出来るから
待っててねー!」


「か、母さん…あのさ」


言うのか?僕?


「どうしたの?」


「や、ご飯いらない」


「えっでもそれじゃ」


「あんまり食べると
眠くなって勉強出来なくなるからさ
大丈夫だよ」


「千歌…」


目を見ずに逃げて自分の部屋に入った


…だって、しなくちゃ…いけないんだろ


部屋のドアの前で
力が抜けてそのまま座り込んだ。


――――――


いつの間にか寝ていて
気がつけば真っ暗だ


ぐー…となるお腹
仕方ないから下に降りて
なにかないか探す


すると


「詩乃兄ちゃん…」


「おっなんだよ
お前いままで勉強してたんか?」


「えっ、うんまあ」


「ははっやり過ぎ注意だぞー」


…は。今なんて…


――ドンッ!!


「なっ!なにすん「詩乃兄ちゃんが!!」


詩乃兄ちゃんの胸ぐらを掴んで
言いたいだけ吐いた


「兄ちゃんがあんなことになるからっ!!
僕には高い壁があるんだよ!
嫌でも…どんなに辛くても!!
僕はやらなきゃダメなんだよっっ…!!」



息が荒い、こんなに叫んだのは
いつ以来だろう…



スッと力が抜けて
詩乃兄ちゃんを睨む