満足するはずだった
言ってしまえばすっきりすると思った
でも、
そのあとの上総の顔を見て
やっぱりやめておけばよかった
と、後悔してしまった
「返事はいらない
上総を困らせないわけじゃないから」
「ごめんなさい」
俺の言葉に彼女は
顔を伏せてそう発した
その声は小さく震えていた
本当は
返事が欲しかった
そっちの方が、すっきりできるから
「いいよ、別に俺のわがままだし」
上総を困らせたくないのも本心
返事を聞きたいのも本当
本当は傷つきたくない
傷つけたくない
叶うならば、永遠に傍にいたい
「じゃあ、そろそろ帰るよ」
「うん、ばいばい」
無理して笑顔を作った
そんな俺に合わせるように
上総も笑顔を作った
「じゃあ、」
「うん」
二度目の言葉のやり取りを終わらせ
ドアを開き、部屋を出た


