屋上に行くと、やっぱりそこには誰もいなくて。
あたしは出入り口のコンクリートで出来ている壁に寄り掛かると、スカートのポケットからタバコとライターを取り出した。
タバコに火をつけ口に銜えると、ニコチンを体に吸い込む。
この学校の屋上は、出入り口の上に給水タンクがあり、そこに上れるようになっている。
天気のいい日はよく給水タンクの横のスペースに寝っ転がって日向ぼっことかするんだよね。
でも、今はそんな気分じゃない。
取り敢えず煙草を吸って、一服したい。
ふぅ、と煙を吐き出すと、空気中に溶けて、消えた。
――ガチャ
そんな音がして、隣の出入り口が開く。
…誰だよ。
と思って顔を上げると、そこには朝の…転校生である不良くん達。
さっき本性を見せた大河もその中にいて、眉間に皺を寄せた。