小さく吐き出した声は、涙と共に零れていく。
「これが、名前を呼んでもらえないことに胸が痛くなることが寂しいって感情なら、そんなのいらない…っ」
「っ」
「名前なんていらない…っ」
水川真梨の紡ぎだす言葉に息が詰まる。
やめろ、そう言う前に俺は、
「真梨っ」
その名を呼んでいた。
「やだ……」
「真梨」
「やだ…っ」
「真梨…!」
いやいやと首を振る真梨をさっきよりも強く抱きしめる。
「…真梨」
「やめて光…!!」
真梨の苦しげな声に、ピタリとその背中を擦っていた手が止まった。
「呼ばないで…」
さっきと言っていることが、まるで逆だ。
呼べと言ったと思ったら、今度は呼ぶな。
意味がわからない。


