でも…
「蓮さんに怒られるかもしれねぇだろ」
そう言うと、今度は真梨がはぁ?という顔になる。
「あたしがいいって言ってるのに何で蓮が怒るの」
ブスッとした顔は、真梨がすると並み外れに可愛い。
他の女がやってもここまでは絶対無理だろう。
色んな意味で、コイツは凶器だ。
「それに、虎太郎も呼んでるし別に…」
確かに、虎太郎は呼んでるみたいだけど。
「別に俺には関係ねぇじゃん」
「要は呼びたくないってこと?」
「……」
俺が黙るとそれを肯定として受け取ったのか、そっか、と言って悲しそうに顔を俯けた。
流れる沈黙。
未だに震えている水川真梨も俺も、口を開かない。
ちょっと…ヤバいだろ、これ。
名前呼ばなくて泣かれたりしたら終わりじゃねぇか。
いや、そんなことで泣かないと思うけど…
「あたしね」


