愛して。【完】





ウエストをスッと撫でられて、顔を背ける。


体が異常に震えて止まらない。


星宮千早は触ってやっとこの異常な震え方に気が付いたのか、声を掛けてくる。




「真梨ちゃん?」


「やだっ!やめて…!!」


「ちょ、真梨ちゃん?!」


「や…っ」




目の前の視界がぼやけてはクリアになっていく。


あの日も、泣いていた。


怖くて痛くて、泣いていた。




「やだぁ…っ」




どれだけ拒否したって、やめてくれない。


人間は、自分勝手だ。


女は嫌い。


男も嫌い。


自分勝手な女も男も、大嫌い。




「真梨ちゃん、俺の名前呼んで?」




だけど、聞こえて来た声はなにかを企んでいるようにはきこえない。




「や…っ」


「呼んで」


「やだぁ…っ」


「俺は星宮千早だよ?ほら、呼んで?」




その言葉で、半分意識が現実に戻された気がした。




「星宮…千早」