「真梨」
低く、でも優しい蓮の声に、涙が止まらないままの目を彷徨わせる。
蓮だろう影があたしの傍に来る気配がしてそれへと視線を定めれば、ふわりと持ち上げられた。
それと同時に隼の手はあたしの頭から離れて。
「れ、ん…」
そう呼べば、隼と同じように頭を撫でられる。
「…っ」
向けられた蓮の瞳は優しくて、思わず息が詰まった。
そのまま総長室に連れて行かれ、ベッドに優しく降ろされる。
そのことになんだかくすぐったくなって、顔を俯けた。
「寝てろ」
そう言われると同時に、布団を被せられる。
蓮にまた頭を撫でられて目が合えば、蓮の穏やかな笑顔に、大きく胸が鳴る。
「おやすみ」
蓮が出て行く扉の音と共に、目を閉じた。
――高鳴った胸は、静まることを知らない。


