愛して。【完】






勢いよく口に料理を放り込んでいく隼を、茫然と見つめる。


そんなあたしに、差し出された一つのモノ。




「ん」




蓮から差し出されたそれは、ピンクと黒で彩られたお箸。




「これ…」




何で、割り箸じゃないの?


そんなあたしの問いが分かってたかのように、颯は口を開く。




「買って来たんだよ。ここに住むんだったら必要でしょ?」


「真梨達が病院行ってる間に買ってきてやったんだからなー」




ニヤニヤ笑う大河に、本当なのかと隼を見る。


すると隼は、食事を運んでいた手を止めて、顔を上げる。


最初はあたしを見ていなかった瞳が、ニコッと笑う。




でも…あれ?


何だろう…違和感がする。


どう言えばいいのかわからない。


だけど、言葉にするならば。




きっと、あたしと同じような笑顔だった。