愛して。【完】





その頃、今の俺等ぐらいの年と言うことは、今は大学生か社会人?


そのぐらいの年齢で真梨ちゃんを軽々と持ち上げそうな奴なら一人知り合いがいるけど…


いや、そいつのことは思い出さないでおこう。




「それで、真梨は…」




蓮の真意を探るようなセリフに、親父はついに答えをくれた。




「栄養失調」




聞き覚えのありすぎる言葉に、頭が痛くなる。


それはきっと、蓮も同じだ。




「まともに飯を食べたことが、無かったらしい」


「え…」


「それで裏路地でぶっ倒れていたところを女の子が拾ってここに連れて来た。まともに食べたことが無いってのは、水川さんが目を覚ましてから聞いた話だけどな」




嘘、と思わず呟きそうになった。


三、四年前――その頃、もう真梨の噂はあった。


今と同じ、“遊び人”と呼ばれる真梨の噂が。


でも、おかしくないか?




噂があるのに、


ヤりまくってる筈なのに、


飯だっておごってもらえるはずなのに、




飯を食べたことが無い――?