愛して。【完】






「虎太郎」


「――あぁ」




虎太郎と視線を合わせると、一歩一歩、水川真梨に近付く。


鳴りやみそうになかった着信音は、俺に出る意思がないと感じたのか、やかましさは消えていて。


そして、水川真梨の掴まれていない方の腕を、俺の手で掴んだ。




掴んだその腕は、今にも折れそうなくらい細くて。


強く掴んでしまえば、すぐに折れてしまいそうなくらい細くて。


吃驚して、離しそうになった。


それでも手を離すことのなかった俺の方へ、水川真梨は髪を揺らして振り返る。


俺を捉えた水川真梨の瞳は、困惑と、強さが入り混じっていて。


なのに、そこに――…弱さがあって。




他の人から見れば違うのかもしれない。


だけど、俺には――…泣いている様にしか、見えなかった。








【光side end】