――“あの日”


知らない男に、あたしを奪われた。


“あたし”を奪われた。




知らない男の腕が、伸びて来て。


ニヤッと、気持ち悪く笑う。


そんな男に、鳥肌が立って。


身体が震えて。


逃げたいのに…


男の力には敵わない……


ただただ、あたしは唇を噛み締めることしか出来なかった――…