「なんの一位?」
「要するに可愛い女子、かっこいい男子を決めようってこと!文化祭の定番行事だよ」
俺は興味無さげに「ふーん」と納得した。
つーかそれってなんのために決めるわけ?色々と準備したりする出し物じゃなくて楽そうだけど。
「これがアンケートの紙、ここに男女の名前を書くの」
竹田はそう言ってミスコンのアンケート用紙を机に出した。それには1年、2年、3年の枠があって学年ごとに名前が記入できるスペースがある。
「あとはこれをあのボックスに入れるだけ。俺らは集計を取って発表する。それがうちのクラスの出し物ってわけですよ」
竹田が指をさした先には空き箱があった。
形は大きな貯金箱みたいで、それは学校の五ヶ所に設置されてるらしい。
「俺はもうアンケート出したぜ!各学年の可愛い女子の名前はリサーチ済みだし。ちなみに2年の男子は冴木にしたから」
「は?」
本気で嫌な声が出た。
竹田は「もう出しちゃったもーん」なんて可愛くもないのに子供みたいな顔をしている。
俺は「はあ……」とため息をつきながらアンケート用紙放り投げた。
アンケートは強制じゃないみたいで出さなくてもいいし、名前も思いつく箇所だけ書けばいいらしい。
勿論俺は出さないし、ミスコンなんて興味ない。