精霊達の棲家

元々口数は余り多い方ではないが、その一言と寂し気な表情は、12歳の子供心にも何か尋常ではない気配を感じた。

少年から青年そして成年期になってもお袋を煩わすことが続いた。
✤当時街の其処かしこに畑があり、北側の隅には必ずと言っていい程肥(こえ)溜(ため) があった。
 腐食が進めば匂いはほとんど無い。
 当時近郊農家では厠の汲取り糞尿が貴重な有機肥料となっていた。
 その表面は土を被り固化、周囲との区別がつかぬ程雑草が繁っている。
 畑には一応鉄条網が施しているが,到る所で破れ殆ど出入り自由であった。
 小学1年生だったか2年生だったか、足を滑らしその肥溜めに落ちてしまった。
 身体の孔という穴総てに糞尿の洗礼をうけてしまった。そしてお袋の出番。
✤近所の畑で悪童達と西瓜泥棒。
 仲間割れの末チクられ、大目玉は勿論学校にも知られることに。主犯格扱いで懲罰、又 しても校内憂迷人。