「…俺、出かける時にカギかけたよな?」

「えっ…うん、かけてたよ?」

どうしたのかと言うように、水萌は首を傾げた。

「じゃあ、リビングに灯りがついてるのは変だよな?」

そう言った僕に、水萌がドアのすき間を覗き込んだ。

「ウソ…」

水萌は驚いたと言うように呟いた。

リビングの灯りが廊下の一部を照らしている。

出かける時にちゃんと電気を消してから出かけたはずだ。

「ヤダ、ドロボー?」

水萌が信じられないと言うように、手で口をおおった。

「そうだったら、通報しないと」

そう言って僕がドアを閉めようとした時だった。