音に気づいた絢音が近づいてきた 「ん…んん」 咄嗟に寝たフリをする 「…榎本くん?!」 驚いているような絢音はすぐにいなくなるかと思っていたのに、 いまだに彼女の気配がすぐ傍にある 『絢音……?』 そう言って目を開けようとしたとき彼女が呟く 「ねえ……」 何かを言おうとしたままじっとする絢音はすっと立ち上がった 近くから彼女の気配が消えたかと思うと 屋上の重い扉が閉まる音がした