幕末陰陽師

〈式神ノオ前ガソノ程度ナラバ、主ノ女モタヤスイモノダロウ。今夜ハ良イオヤツニアリツケソウダ。〉




――ケダモノの言葉に気を向けてはならない。


「…………っ!!!!」


私は刀を振りかざす。
だが何度振ろうとも速度が追い付かぬ。


〈遅イト言ッテイルダロウ!!!〉




振り向けられた異形の爪が、私の腹部に突き刺さった。