「ちくしょう!!
一体どこに消えたんだ、あのこそ泥めっ!!」
覆面パトカーからおりた警部は荒々しくドアをしめた
「警部~、こそ泥だったらとっくに捕まってますよ。」
「うるさい!!そんなこと言ってるヒマがあるなら、とっとと探してこい!!」
俺が言っているのに気づかず、警部は怒鳴り散らす
「ここにいますって。」
「なんだと!?
って、キルア貴様いつから!!」
「だから、ずっとあんたの話の相手してたんでしょーが」
月明かりは雲に隠れ、俺の顔はほとんど警部には見えていない
「キルアー!!」
雄叫びに近い声をあげながら俺に飛び付こうとした警部をハラリと避け、俺は車の上に乗った
「警部、今回は見逃してくれない?」
「なんだと!?」
「代わりに面白い情報あげる♪」
そう言って俺はさっきの録音機能付きの盗聴器を警部に投げた
「そんなかにここの美術館の館長の声が入ってるから、ぜひ聞いて♪
じゃ、今回はこの辺で」
「ま、待てキルア!!」
警部の声を背中に受けながら俺は夜の街に消えた


