「なぁ、もしかしたら開眼すればつかえるんじゃねーの?」


ずっと黙って聞いていた玲哉が剣を指差しながら口を開いた


「翔、できるか?」


「う、うん」



さっきのことを考えると抵抗があるけど、もしこの剣が使えたとしたら……


俺は意識を集中させて開眼をした

周りの空気が張り付き、異変を感じた犬のほえる声が聞こえる


そういえばこうやって意識的に開眼をするのは初めてだな……





俺はそんなことを考えながら剣に触れた





サァ―――――――



「!!」


俺が剣に触れた瞬間だった

鞘についていた宝玉が七色に光を放った


「これは……っ」『キルアの剣!?』


驚きに目を丸くさせる藤丸とイル

あまり表情に出さない玲哉も一瞬表情を変えた



俺はそのまま鞘を掴み剣を引き抜いた


今までびくともしなかった剣は簡単に鞘から抜けた




「そんな……バカな……」


「藤丸?」



「キルアの剣が2つ存在するなんて……」


『本物はバリス本部で厳重に保管されているはずなのに……』



なるほど。こいつらがこんなに驚くのはそういう理由があったからか