『藤丸』
「イル、佐原はどうした?」
『家に届けてきた
ちなみに翔が開眼したところの記憶は消しといたから大丈夫
翔も元に戻ったんだねっ。良かった~』
大きな尾を振るイル。俺はその頭をなでた
「みんな……心配かけてごめんな」
「ま、お前のことだ
そのうちまたケロッと忘れるんだろう
それよりもお前に渡したいものがあるんだ」
藤丸はそういうと腰に下げていた剣を俺に投げてよこした
「これって確かこの前盗んだやつだよね?」
「あぁ、どうやらその剣を引き抜く鍵はお前らしい
だからお前にもっていてほしいんだ」
錆び付いて使えない剣を持ってろってのもおかしな話だけどな……
「わかった」