盗むはずだった家には、パトカーだけでなく救急車や報道キャスターも来ていた
「はぁ、はぁ……っ」
野次馬でごった返す人ごみを掻き分けて、俺は一番前へ乗り出した
テープがはられ、中に入ることはできないけど、火は消えているようだった
「現場は今夜怪盗キルアが盗むはずだったかんざしの置かれている家です
キルアの予定時刻であった時間、現場からは爆発が起こったそうです
けが人は複数いるものの、死者は出ていないそうですが、果たしてこの爆弾の犯人はキルアなのでしょうか?」
死者は出ていない代わりに、俺は爆弾魔の汚名を着せられたってワケか……
野次馬から離れた俺は、近くに止まっていた救急車に近づいた
「あれ、翔?」
「え……?」
「やっぱり翔だ。」
そう言って近づいてきたのは頭にガーゼをつけた葉月だった
「葉月……っ、怪我したのか?」
「うん、でもそんなにひどくないよ。
飛んできたガラスで頭切っちゃったけど、たいしたこと無いって。」
そう言ってニコっと笑った
「……良かった」
「ん?なんか言った?」
「ううん……なんでもない。
そういえばかんざしって盗まれたの?」
「まさか。爆発のせいで真っ黒こげだった。
キルアの仕業なんていう人もいるけど、あたしは違うと思うの。
確かに窓ガラスとか割るけど、爆発させてまでやるような感じじゃないし。
それに、爆発しちゃったら盗みようないし。」
うーん。とうなりながら考える葉月
怪我も本人の言うとおりたいしたこと無いみたいだ


