【短編】Birthday * kiss












「お、おじゃまします・・・っ」






昨日の記憶を頼りに、何とかたどり着いた康介くんの家。


なんか緊張してきた・・・。


家の二階から、パタパタと走る音が聞こえる。






「あら、どちらさま?」


「あ、え、っと・・・康介くんと同じクラスの・・・」


「あら、そうなの? あがってあがって」





・・・きっと、お母さん。


康介くんに似て、優しい眼差しだった。


ガチガチに緊張しながら、康介くんの部屋に案内された。






「康介ー、クラスの子がお見舞いに来たわよ」






康介くんのお母さんが、茶色の扉を開きながらそう言った。


その隙間から見えたのは、白を主体としたシンプルな部屋。


・・・う、わ//





「散らかっててごめんなさいねー」


「い、いえ・・」






"じゃ、ごゆっくり"


そうにっこり笑って部屋を出て行った、康介くんのお母さん。


まだベッドを見れなくて、その場に立ち尽くしていた。



・・・と。









「遅えよ」






風邪でかすれた、康介くんの声が耳元に聞こえた。