「あのね、あたし…仲本くんのことが…その、

好き、なんだけど…



「うん」


「えっとだから、…よかったら、付き合ってくださいっ…!!」


そう言って頭を下げる
小さな女の子。


俺のなにを知って、好きになって、
告白しようと思ったんだろう


「あのさ、俺
君の名前も何も知らないんだけど」


自分のことを何も知らない奴に

告白なんて、どうしてできるんだろう


いつも、聞くのは


これから知ってほしい。


そればっかりで


でもそんなのって押し付けだ。



「だ、だけど!
あたしは仲本くんのことしってるし、それに」


「俺の何を?


悪いけど、付き合えないよ。

ごめんね」